2002-12-02 [長年日記]

[]『闘うプログラマー(上・下)』(G・パスカル・ザカリー,日経BP出版センター)

読了。マイクロソフトのNT開発グループの軌跡。

1994年初版だからか多少の違和感があるかも。OSという観点で見てしまうと今はLinuxに代表されるオープンな方法がクローズアップされることが多いからか。一般的な商用ソフトウェアならば少なからずこの本のような形なんだろうけどね。

家庭崩壊していたりプライベートの時間がなかったり、そんな登場人物が多い。ヤな環境だ。どうしても職場環境に注目してしまう。組織論としても恐怖政治のよう。作業分担や流れは参考になるかも。今の職場とは大きく違うという意味で。「まず適切な人を選択し、不適切な人を降ろす」「カルト文化」というビジョナリー・カンパニーの条件を満たしている仕組みは称賛に値します。

山岡洋一翻訳本を4冊読み終えた。どれも読みやすかった。さすが。

MVPはタグボートの岡代表

第4回ニュービジネスフォーラムを見てきた。川渕キャプテンもよかったけど株式会社タグボート岡代表のコメントがCMプランナーらしくユーモアがあっておもしろかった。コメントをまとめておきます。

【基調講演/時代を変えるリーダーシップ!】

日本サッカー協会キャプテンの川渕三郎氏。

  • 住友金属をJリーグに入れるか最後まで悩んだ。臨海工業地帯ができたと喜んでる旧人類2万人、週末になると東京に遊びに出てくる若者2万5千人、計4万5千の鹿島には99.999%落とすと言った。3千人のスタジアムを造ると言ってきたので諦めさせるつもりで1万5千の屋根つきサッカー専用スタジアムを造れと言ったら本当に造ってしまった。日本では前例が一番大事であり、サッカー協会の提案を全て受け入れた鹿島を前例とするために最後10番目にJリーグに入れた。天皇杯やJFLで実績のあった日立、ヤンマー、ヤマハは落とした。
  • Jリーグの理念は、1)日本サッカーの技術向上、2)豊かなスポーツ文化の振興と国民の心身の健全な発達への寄与、3)国際親善・交流であり、2が最も大事。何か選択する際は必ずこの理念に沿ったものにする。
  • テレビ放映権はJFLは当初30万円だった。Jリーグになっていくらか見当もつかないから勢いで1,200万円といったら1,000万円で折り合った。翌年からは2,000万円になった。電通や博報堂は通しておらず全てJリーグで管理している。特定チームに偏っている野球を反面教師にしているため。
  • 普通のことを普通にやるのが一番重要。わかっていることをやれないのはわかっていないということ。
  • トルシエとは本当に仲が悪かった。トルシエはfearfulコーチング、ジーコはcheerfulコーチング。ある意味日本人にはトルシエの型が働きやすいかとも思うが、個人個人に考えながらのプレーを求めるにはジーコのほうがよい。

【ベンチャーの宝箱2002】

4人+進行1人だったが期待通りタグボートの岡代表がとても個性的。あとはどうでもいい話。ちなみにタグボートは電通のクリエイティブ部門で同じセクションだった4人が3年前に作った会社。今でもその4人。「恋のチカラ」のモデル。

  • 日本とインドはCMがテレビに放映される時点でお金が入ってくる。CMを考えるプロセスにはお金は落ちてこない。欧米は逆にプロセスにお金が落ちてきて、放映はさほど重要ではない。広告を考える、そこでお金が欲しいので独立した。
  • クライアントには1パターンしか持っていかない。数パターン持っていってこちらとして2番目や3番目が選ばれたら後悔するから。電通時代は3〜5パターン持っていった。
  • クライアントの言うことが売れるとは限らない。電通時代はクライアントの意向は全て受け入れていた。それでCMが当たらなくても高い給料が貰えていたから。今はこちらから提案していく。こちらの意図が通らなければその仕事は受けない。質が悪ければ直接生活に影響するので妥協はしない。
  • CMプランナーは主にテレビCM、コピーライターは新聞や雑誌。コピーライターは5千人くらいいるけどCMプランナーは200人くらい。ちゃんと考えている奴は20人くらい。
  • 辞めてから3年は他のエージェンシーと組まないと電通と約束した。この7月に契約が切れた。電通時代はサントリーとの仕事が多く6商品扱ったが、どうしても電通が間に入ってしまうので今はキリンビバレッジと直接仕事している。
  • もらったお金をザルに入れて5:4:4:3にわけて給料にしている。
  • 資本金は4人で1000万円作った。出した比率が5:4:4:3だった。
  • 4人でやれることのみやって人を増やすつもりはない。
  • 映画や旅行もいいけど本を読んでください。

急用のためこの2つだけで帰った。

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