2005-01-09 [長年日記]

[]『最後の将軍−徳川慶喜−』(司馬遼太郎,文春文庫)

年末に慶喜の孫が亡くなったと報じられて、歴史教科書の「大政奉還した第15代将軍徳川慶喜」と、薩長連合に対する幕府方の中心人物くらいにしか知らなかったので読んでみた。

意外なほど感情移入してしまったかも。たぐいまれな力を発揮できる舞台もなく、孤立無援とならざるを得ない時代背景で、無血革命を受け入れた慶喜は、後年もっと評価されてもいいと感じた。とくに、90年代の東欧や現在の独裁政権国家と比べると。

多趣味で何事にも秀でて、晩年のほうがよほど楽しかったんだろうな。こだわりについても共感できるところが多い。俺も30代で引退して悠々自適の人生を送りたいものだ。『最後の将軍』

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