著者の『世間とは何か』(講談社)を読み始めたところ、俺にとってはかなり難しかったので、こちらに乗り換えた。講演ベースなので読みやすい。
明治10年ごろ、英語のSocietyとIndividualの訳語として「社会」「個人」という言葉が生まれた。それ以前には、社会という言葉も、個人という言葉もなかったという。それまでは「Individualに当たる言葉をつくる必要がなかった」ので、「個人という意識もなかった」。日本人は個人を意識するのではなく、「世間」を意識する。欧米の方は、世間を理解できないらしい。たとえば「世間を騒がせたことには深くお詫びします」は、英語にもドイツ語にもフランス語にも訳せない。
世間から、差別、部落問題、教育まで。なかなか面白い。俺もそれなりに世間体は気にするほう。これでもいろいろ気を配ってるつもりなのよね。