これは良書です。人をバカにしたような表紙なんで、単なる便乗本かと思っていたらいい意味で裏切られた。
投資資金の2割を「投機」に使えという部分が強調されているようだが、内容はいたってシンプルで正統派。基本は逆張りで、優良大型銘柄を中心とした分散投資。それも銀行や石油といったセクターを混ぜたもの。
ただ、それだけじゃ市場に参加し続けることはできない。そのために、資金の2割で投機を楽しもうという。セクターローテーションに言及しているのもいい。景気の上げ下げとセクターとの関係。もちろんその通りにセクターを移していけばいいわけではないけど、参考にすべきところは多い。
株初心者に薦める本の4番目か5番目に加えてもいい。いまから株を始める人には、俺ならこんな本を薦めるね。
まずは、ロバートキヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』。これでガツーンと目を覚ましてもらう。ただ、あくまで思想的なものであり、日本では適用できない部分も多い。
そこで、橘玲の『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』。これで、いかにサラリーマンが虐げられているかを認識してもらう。しかし、運用のテクニカルな部分については記述が薄い。
その部分を補うのが、木村剛の『投資戦略の発想法』。これで投資の基本的な考え方を知ってもらう。だが、いくらなんでもインデックスファンドじゃつまらんだろう。
個別銘柄を探すのに役立つのが、『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』。これで個別銘柄選択の目の付けどころを学ぶ。でも現実問題として、何十年もバイ&ホールドなんてできるわけがない。